基本的施策8:研究等の推進等
目指すべき姿
認知症のある人と家族等が希望する研究等に参加でき、認知症に関する研究が進み、都民一人ひとりが広く研究成果の恩恵を受けられる。
現状と課題
- 認知症は発症原因や進行の仕組みの解明が不十分であり、根本的な治療薬は存在せず、予防法も十分に確立されていない
- 現時点では、予防に関するエビデンスは未だ不十分であることから、エビデンスを収集・普及し、正しい理解に基づき、予防を含めた認知症への「備え」としての取組が重要
- 認知症になってからも、安心して住み慣れた地域で暮らすことができるよう、全ての人が共に支え合う地域づくりを推進する取組が必要であり、そのための研究も重要
- 東京都健康長寿医療センターには、認知症のある人や家族等の協力を得ながら収集した、認知症に関するエビデンスとなる臨床・研究に係る膨大なデータが蓄積されており、これらのデータを活用し、認知症との共生・予防に向けた研究を進めていくことが必要
- 認知症の治療法や予防法の開発には、認知症の発症メカニズムを明らかにしていくことが必要
施策の方向
認知症に関する研究の推進
- 東京都健康長寿医療センターにおけるバイオバンクやブレインバンクの取組についてホームページで紹介するなど広報を実施し、認知症のある人と家族等が希望する研究等に参加できるよう分かりやすく発信
- 東京都健康長寿医療センターが保有する生体試料、画像データ等のビッグデータを取りまとめ、認知症研究の基盤として構築したデータベースについて、民間企業や研究機関への提供を含め利活用を図り、認知症の治療法や創薬等の研究に活用
- 東京都健康長寿医療センターにおいて認知機能の低下抑制につながる生活習慣改善等の手法を開発し、認知症の発症予防を図る取組を推進するとともに、アルツハイマー病の原因物質の脳内での蓄積状況を血液検査で判別できるバイオマーカーの研究開発や、新たな認知症抗体医薬(ドナネマブ)の投与終了の判断に必要な画像検査の支援ツールの開発を通じ、認知症検査における患者の経済的・身体的負担の軽減や、診断・治療の精度向上につなげていく
- 東京都健康長寿医療センターが実施してきた、板橋区高島平地区での共生社会をテーマとした研究の知見を活かし、認知症のある人の社会参加や「空白の期間」の支援に係る区市町村の取組の充実に向けたマニュアル等の作成により、共生社会の実現を支える研究を推進
- 東京都医学総合研究所にて、患者の脳に蓄積したタンパク質凝集体を高純度で抽出できる独自に開発した生化学的抽出手法(界面活性剤に対する溶けやすさと分子の密度の違いを利用して分離、濃縮する方法)を用いて、認知症発症メカニズムの解明を進め、治療法・予防法の開発に向けた基礎研究を推進
- 東京都医学総合研究所と協働して、行動・心理症状の改善が期待される「日本版BPSDケアプログラム」の普及を図る